長期でリターンを最大化する!40代の「攻めと守り」の最適なアセットアロケーション戦略

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はじめまして、FPいけだです。

前回の記事で、私たちは「積立投資」という自動運転の仕組みを構築しました。しかし、ただ積立てるだけでは、あなたの資産形成の旅は目的地にたどり着くでしょうか?

投資を家づくりに例えるなら、積立投資(ドルコスト平均法)は「頑丈な柱と基礎」です。では、その家を「どこに、どんな建材で建てるか」という設計図にあたるのが、今回のテーマである「アセットアロケーション」です。

40代<br>サラリーマン
40代
サラリーマン

「積立は始めたけれど、どこまでリスクを取っていいのか分からない…」
「株価が下がると、自分の資産がすべて台無しになるのではないか…」

40代のあなたは、老後資金という「長期的な成長」が必要な一方で、数年後に控える「教育費」や「住宅ローン返済」といった守るべき資金も抱えています。

FPいけだ
FPいけだ

この「攻め」と「守り」のバランスをどう取るかが、あなたの資産形成の成果を決めると言っても過言ではありません。

この記事では、長期投資の成果の約9割を決定すると言われるアセットアロケーションの概念をわかりやすく解説し、40代のライフステージに合わせた最適な「攻め」と「守り」のバランス戦略を、FPの視点から提案します。

この記事を読めば、以下のことがわかります。

  • アセットアロケーションが、なぜ長期投資で最も重要な戦略なのかがわかる。
  • 40代が取るべき「攻め(成長資産)」と「守り(安定資産)」の具体的なバランス戦略がわかる。
  • 複数の資産を組み合わせることで、どのようにポートフォリオ全体のリスクを低減できるのかがわかる。
  • あなたのリスク許容度に合わせた資産配分の考え方が身につく。

アセットアロケーションとは:投資の成果を決める「戦略的な設計図」

アセットアロケーション(Asset Allocation:資産配分)とは、あなたの投資資金を「国内株式」「外国債券」「不動産投信(REIT)」「現金」といった異なる資産クラスに、どのような比率で配分するかを決める戦略的なプロセスのことです。

Point:アセットアロケーションは「どの資産クラスに、何%ずつ投資するか」を決めること

長期投資の成果を分析した研究では、リターンの大部分(一般に90%程度と言われる)が、個別の銘柄選びではなく、このアセットアロケーションによって決定されることが示されています。

つまり、あなたがどんなに素晴らしい成長株を選んだとしても、根本的な資産配分が間違っていれば、期待するリターンは得られません。

投資の決定事項戦略的役割
アセットアロケーション戦略的決定(長期投資の成果の約9割を決定)
銘柄の選択・売買のタイミング戦術的決定(残りの約1割を決定)

最初にこの設計図(アセットアロケーション)を正しく描くことが、あなたの資産形成の旅を成功に導く最も重要なステップなのです。


40代の「攻め」と「守り」のバランス戦略

40代は、「守り」を固めつつ「攻め」の姿勢を維持することが重要です。そのバランスを決める鍵は、あなたの「リスク許容度」です。

40代のリスク許容度を決める要因

40代のライフステージを考えると、一般的な「年齢で判断する」方法だけでは不十分です。

  1. 攻めの要因(時間)
    • 定年までの期間がまだ20年ほどあり、長期投資による価格変動回復の機会がある。
  2. 守りの要因(資金使途)
    • 数年後に迫る教育費や、住宅ローン返済など、近いうちに使う予定の資金が多い。

リスク許容度に応じた資産配分の提案(イメージ)

資産クラスを大きく分けて、「攻めの資産(成長を重視)」と「守りの資産(安定を重視)」の二つで考えます。

リスク許容度    攻めの資産
(株式・REITなど)     
守りの資産
(債券・現金など)     
活用方法
積極的80%20%貯蓄が潤沢で、教育費の目処が立ち、老後資金形成を最優先したい方。
標準的60%40%多くの40代におすすめ。成長を求めつつ、価格変動に備える標準的なバランス。
保守的40%60%数年内に多額の資金使途(教育費など)があり、価格変動を極度に避けたい方。

【FPいけだからのアドバイス】

  • まず、投資に絶対はありません。どのリスク許容度を選んだとしても、資産が減る可能性があるを認識しておきましょう。
  • 積立を始めたばかりの40代サラリーマンは、まずは「標準的な60%:40%」を目指しましょう。
  • 「攻めの資産」は、前回推奨した低コストの全世界株式をNISAの積立枠の中心に据えます。
  • 「守りの資産」は、すぐに使う予定のない国内債券ファンドや、安全性の高いMMF(マネー・マーケット・ファンド)、または普通預金や定期預金で準備します。特に、数年後に使う教育費などの資金は、「守りの資産」として分けて管理しましょう。

相関性の低い資産を組み合わせるメリット

なぜ、私たちは「攻めの資産」だけに全額を投じるのではなく、「守りの資産」と組み合わせる必要があるのでしょうか?

それは、相関性の低い複数の資産クラスを組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを低減できるからです。

相関性とは:「値動きの連動性」のこと

相関性とは、複数の資産の値動きがどれだけ似ているかを示す指標です。

  • 相関性が高い: 株式Aが上がれば株式Bも上がる(連動する)
  • 相関性が低い(または負の相関): 株式が上がるときに債券は下がる(逆の値動きをする)

ポートフォリオのリスク低減効果

景気拡大期には「株式」が大きく成長しますが、景気後退期や金融不安時には、株式は下落し、「債券」が相対的に安定したり、上昇したりする傾向があります。

つまり、値動きの異なる(相関性が低い)株式と債券を組み合わせることで、どちらかの資産が大きく下落しても、もう一方の資産がクッションとなり、資産全体が受けるダメージを抑えることができます。

これは、あなたが市場の暴落局面で感情的に積立を止めてしまう事態を防ぐための、非常に重要な「安全装置」になります。


まとめ:あなたの「攻めと守り」のバランスを実行する

アセットアロケーションは、あなたの資産形成の旅における「戦略的な羅針盤」です。一度決めたらそれで終わりではなく、あなたのライフステージや市場環境に応じて見直し(リバランス)を行うことで、長期的な成果を追求し続けることができます。

40代のあなたが今すぐ取るべき行動は以下の2点です。

  • あなたのリスク許容度(特に教育費など近いうちの資金使途)に基づき、「攻めの資産」と「守りの資産」の比率(例:60%:40%)を決定する。
  • NISA口座などで設定した積立投資(攻めの資産)に加え、守りの資産(債券ファンドや高金利の預金)をポートフォリオに組み込み、「攻めと守りの自動運転」を開始する。

このバランス戦略こそが、価格変動の波を乗りこなし、長期でリターンを最大化しつつ、あなたが安心して日々の生活を送るための土台となります。

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