前回の記事では、40代が直面するライフステージの変化と、それに合わせた保険の見直しが大切だというお話をしました。今回は、自分にぴったりの「旅の道具」である保険をどのように選べばよいか、旅のマップを広げながら一緒に考えていきましょう。
保険の種類は多岐にわたりますが、大切なのは、あなたの人生という旅の目的地とスタイルに合った道具を選ぶことです。
まずは「誰を守りたいか?」から考える
旅の準備は、「誰と旅をするか」によって変わりますよね。保険も同じです。まずは、あなたの旅に同行する大切な人たち、つまり**「守るべき家族」**を明確にしましょう。
- 独身の方
- 自分自身のリスク(病気やケガ)に備えることが最優先です。
- 夫婦二人の方
- お互いに何かあった時、相手の生活が困らないための備えが重要です。
- 子どもがいる方
- 万が一の時、残された子どもが教育を受けられるよう、手厚い保障が必要になります。
- 親御さん
- 親の高齢化に伴い、将来の介護負担に備えることも40代にとって重要なテーマです。
旅のスタイルで選ぶ「三大ツール」
旅のスタイルが「長期滞在」なのか、「短期旅行」なのかによって必要な道具が違うように、保険もその役割によって大きく3つのツールに分けられます。
1. 家族を守る「命のバトン」:死亡保険
これは、もしも旅の途中であなたがリタイアすることになった時、残された家族が経済的に困らないようにするための道具です。
- 終身保険
- 旅を終えるまで一生涯保障が続く、いわば「永続的なお守り」。保険料は少し高めですが、解約時に戻ってくるお金(解約返戻金)があるタイプもあります。
- 定期保険
- 特定の期間だけ保障を得る「一時的なお守り」。保険料が安く設定されているため、子育て期間など特定の時期に手厚い保障が欲しい場合に適しています。
- 収入保障保険
- あなたの代わりに家族へ「毎月の生活費」を届ける道具。保険期間中に亡くなった場合、お給料のように毎月決まった額が受け取れるため、必要な保障を無駄なく準備できます。
2.病気・ケガ・介護に備える「もしもの時の応急処置キット」:医療保険・がん保険・介護保険
これは、旅の途中で突然体調を崩したり、想定外の事態に直面したりした時のための備えです。40代は、自分自身の健康リスクに加え、親の介護という新たなリスクも現実味を帯びてきます。
- 医療保険
- 入院や手術をした時の自己負担分をカバーします。
- がん保険
- がん治療に特化した保障で、高額になりがちな治療費や先進医療費にも備えられます。40代はがん発症リスクが上がる年代なので、特に検討したい道具です。
- 民間の介護保険
- 公的な介護保険だけでは賄いきれない費用に備えるための道具。親の介護費用や、介護のために仕事を休む間の生活費など、経済的な負担を軽減する役割があります。
3. 将来の自分を助ける「旅の貯金箱」:個人年金保険・養老保険
これは、旅の最終地点である老後に備え、お金を積み立てていくためのツールです。
- 個人年金保険
- 老後の生活費を自分で積み立てる、いわば「老後版の貯金箱」。
- 養老保険
- 満期を迎えると満期保険金が受け取れる「期限付きの貯金箱」。
あなたに合った「旅の道具」を見つけるマップ
これらのツールをあなたの人生のマップに当てはめてみましょう。
ライフステージ | 最優先で備えたい「旅の道具」 |
独身・夫婦2人 | 医療保険(自分の医療費に備える) |
子育て世代 | 死亡保険(特に収入保障保険)と医療保険 |
親の介護 | 医療保険・がん保険に加え、民間の介護保険も検討。 |
老後資金準備 | 個人年金保険など、積立型の保険 |
まとめ
重要なのは、すべての道具を完璧に揃えることではありません。
今のあなたにとって、本当に必要な道具は何か? どのリスクに優先的に備えるべきか?
これを考えることが、賢く旅を続けるための第一歩です。次の記事では、実際にどれくらいの備えが必要なのか、具体的な金額についてお話します。
コメント