年末調整で「損」をしないための総点検:控除証明書の準備と見落としがちな3大控除

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はじめまして、FPいけだです。

給与明細を見るたびに、「なんでこんなに税金が引かれるんだろう…」とため息をついていませんか?

私たち会社員にとって、年末調整は、払いすぎた税金を取り戻し、実質的な手取り額を増やすための、年に一度の重要な手続きです。しかし、この手続きを「会社任せ」にして、本来受けられたはずの「税金の控除(節約)」を見落としている方が非常に多いのです。

特に、住宅ローンや教育費などで支出の多い40代にとって、年末調整で控除のモレを防ぐことは、家計の「旅の節約術」において基本中の基本となります。

この記事では、年末調整の仕組みをわかりやすく解説し、手取りアップに直結する「三大控除」(社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除)について、控除証明書の準備を含めた具体的な対策を詳説します。

この記事を読めば、以下の疑問や不安が解消できます。

  • 年末調整の仕組みと、「払いすぎた税金が戻る」理由が明確になります。
  • 手取りを増やすために特に重要な「三大控除」の概要と控除限度額がわかります。
  • 控除を最大限に適用するための、控除証明書の準備や提出で注意すべき点が明確になり、申請モレを防げます。

今年の年末調整で「損」をせず、しっかりと手取りを増やしていきましょう!


1. 会社員の必須手続き:年末調整の仕組みと目的

私たち会社員は、毎月の給与から所得税や住民税、社会保険料が源泉徴収されています。この源泉徴収される所得税は、あくまで「概算」であり、1年間の正確な税額ではありません。

なぜ年末調整が必要なのか?

毎月引かれている所得税(源泉徴収税額)は、年間の収入や家族構成が毎月同じという前提で計算されています。しかし、年の途中で以下のような変化が起こることがあります。

  • 扶養家族が増減した
  • 生命保険や地震保険に加入した
  • iDeCo(イデコ)に加入した
  • 年の途中で転職した

これらの変化によって、本来適用されるべき「所得控除」の金額が変わるため、年末に「正しい税額」を再計算し、毎月引かれていた概算の税額と過不足を精算する手続き、それが年末調整です。

払いすぎた税金がある場合は、12月または翌年1月の給与と一緒に「還付(返金)」されます。これが、会社員にとっての「税金が戻ってくる」仕組みです。代わりに支払額が少ない場合は、徴収されます。


2. 手取りアップに直結する「三大控除」の総点検

年末調整の対象となる控除は多岐にわたりますが、特に適用モレが多く、かつ手取りへの影響が大きい「三大控除」について、仕組みと注意点を確認しましょう。

(1) 社会保険料控除:最も身近な控除

最も身近で、かつ金額が大きい控除です。

  • 対象となる保険料
    • 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、国民年金保険料、国民健康保険料など。
  • 控除額
    • その年に支払った全額が控除の対象です(限度額なし)。

【注意点:家族の保険料の支払い】

年末調整で申告できるのは、「あなたが実際に支払った」社会保険料です。

  • 会社を通じて天引きされた健康保険料や厚生年金保険料は、会社が計算するため申告の必要はありません。
  • 国民年金や国民健康保険料など、自分で支払った分は、必ず控除証明書を添付して申告が必要です。
  • 生計を一にする配偶者や親族の国民年金や国民健康保険料をあなたが支払った場合、あなたの社会保険料控除として申告できます。家族の分もまとめて支払っている場合は、忘れずに申告しましょう。

(2) 生命保険料控除:新旧の制度に注意

生命保険料や個人年金保険料を支払っている場合に適用できる控除です。

  • 対象となる保険
    • 一般の生命保険、介護医療保険、個人年金保険
  • 控除額
    • 支払保険料に応じて控除額が決まりますが、適用される制度(新制度・旧制度)によって控除の上限額が異なります

🔹 新制度(2012年1月1日以降の契約)

控除枠が3種類に分かれ、合計の控除上限額は12万円です。

控除区分主な対象となる保険各区分の上限
一般生命保険料控除終身保険、定期保険、養老保険、学資保険など4万円
介護医療保険料控除医療保険、がん保険、介護保険、就業不能保険など4万円
個人年金保険料控除税制適格特約を付加した個人年金保険4万円
合計上限額12万円

🔹 旧制度(2011年12月31日以前の契約)

控除枠は2種類で、合計の控除上限額は10万円です。

控除区分主な対象となる保険各区分の上限
一般生命保険料控除終身保険、定期保険、養老保険、学資保険など5万円
個人年金保険料控除税制適格特約を付加した個人年金保険5万円
合計上限額10万円

【所得税の控除額の計算式と具体例】

どちらの制度も、1年間に支払った保険料の金額に応じて、以下の速算表を使って控除額を計算します。

支払保険料の合計額控除額
新制度(一般・介護医療・個人年金)
20,000円超 40,000円以下支払保険料 1/2 + 10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料 1/4 + 20,000円
80,000円超一律40,000円(上限)
旧制度(一般・個人年金)
25,000円超 50,000円以下支払保険料 1/2 + 12,500円
50,000円超 100,000円以下支払保険料 1/4 + 25,000円
100,000円超一律50,000円(上限)

💡 計算例:新旧両方に加入している場合

新制度と旧制度の両方の保険に加入している場合、一つの控除区分につき、新旧合わせた控除額は最大4万円となります(有利な方を選択することも可能です)。

制度区分年間支払保険料計算控除額
新制度一般介60,000円新制度の計算式で 35,000円35,000円
新制度介護医療50,000円新制度の計算式で 32,500円32,500円
旧制度個人年金120,000円旧制度の計算式で 50,000円50,000円

最終的な合計控除額:117,500円(35,000円+32,500円+50,000円)

控除額の全額が戻るわけではありません

この合計控除額117,500円は、税金を計算する前の所得全体から差し引かれる金額です。この全額が手元に戻ってくるわけではありません
実際に税金が安くなる(還付される)金額は、この控除額にあなたの所得税率(10%や20%など)をかけた金額となります。例えば、あなたの所得税率が10%の場合、117,500円 × 10% = 11,750円が税金として軽減されます。

(3) 地震保険料控除:火災保険だけではNG

火災保険とセットで加入することが多い控除です。

  • 対象となる保険
    • 地震保険料のみ(火災保険料単独では対象外)
  • 控除額
    • 支払った保険料に応じて、最高5万円まで控除されます。

【注意点:旧長期損害保険の特例】

2006年以前に契約した長期の火災保険(保険期間10年以上など)については、経過措置として特例で控除の対象となる場合があります。もし古い火災保険の証明書が届いたら、そのまま捨てずに控除額を確認しましょう。


3. 控除申請モレを防ぐ!証明書提出の準備と確認

これらの控除を受けるために、会社に提出する必要があるのが控除証明書です。

控除証明書の提出時期と入手方法

  • 提出時期
    • 勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に添付し、概ね10月下旬から11月中旬頃に会社へ提出します。
  • 入手方法
    • 生命保険・地震保険
      • 毎年10月頃に保険会社から郵送されます。
    • 国民年金・国民健康保険
      • 国民年金は年金事務所から、国民健康保険は市区町村役場から発行されます。
      • 特に国民年金は、1月から9月分と10月から12月分で分かれて届く場合があるので、両方保管しておきましょう。
    • iDeCo(イデコ)
      • 運用管理機関から郵送されます。

【重要】控除証明書のチェックリスト

年末調整で損をしないために、以下のチェックリストを活用してください。

項目確認事項
生命保険「新制度」か「旧制度」を確認し、
それぞれの控除限度額を最大限使えているか。
介護医療保険控除枠が別にあるので、申告モレがないか。
地震保険火災保険だけでなく、地震保険の保険料を申告できているか。
国民年金生計を一にする家族の分を、自分が立て替えて支払っていないか。
支払っていれば自分の控除として申告する。
iDeCo支払った掛金全額が控除の対象です。
証明書を必ず添付しましょう。

まとめ:税の知識で手取りを確実に増やそう!

この記事では、年末調整の仕組みと、手取りを増やす鍵となる「三大控除」について解説しました。

  • 年末調整は、概算で引かれた所得税を精算し、手取りを増やすための重要な手続きです。
  • 社会保険料控除生命保険料控除地震保険料控除は、控除証明書を添付することで適用されます。
  • 特に、国民年金や国民健康保険家族の保険料の立替分は、申告モレが起きやすいので注意が必要です。

税金の知識は、難しく感じるかもしれませんが、一度仕組みを理解すれば、毎年自動的に「旅の節約術」として機能します。

控除証明書を早めに確認し、必要な申告を漏れなく行うことで、あなたらしい安心できる「人生マネープラン地図」を描き始めることができます。

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